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ホワイトカラー生産性向上の秘訣 その3

本日は、ホワイトカラー生産性の向上の秘訣の続編です。「秘訣」、「秘訣」と銘打っておきながら、これまでの記事ではあまり述べてきませんでした。申し訳ありません。

今日は実務上ヒントになりそうな秘訣を、企業の事例(インタビュー調査)を交えながらお話しします。

その前段となる、以前の記事はこちらからどうぞ!

hatarako.hatenablog.jp

hatarako.hatenablog.jp

インプットの見えづらさが招く低生産性

上の記事では、

多くのホワイトカラーの働き方はブラックボックス化しており、周りから仕事の投入量が見えづらい。したがって、ホワイトカラーの生産性向上を議論するにしても、インプットの量が分からないわけですから、スタート地点にも立てない。

こんな話をさせていただきました。

 

私自身が会社員をしていた当時、自分も含めて周りの人たちが、どれだけの仕事の投入(インプット)をして、成果(アウトプット)を生み出したのかを理解・把握しようとしてきませんでした。反省。

上司も同じようだったと思われます。もちろん、デスクを並べて仕事をしているし、営業に同行することもあるので、5から10人くらいには目が届き、

「時間がかかりすぎだな」とか
「効率よくやっているな」

程度はわかるはず。でも、そんなのは、あいまいとした主観的な感覚に過ぎません。

前もお話しした通り、生産性とは<インプット>と<アウトプット>の比率です。ですから、生産性を論ずるには、構成要素のひとつである「インプット」をきっちりと把握しておく必要があります。

そこで、上司や同僚が、部下の力量を把握するところから始めたらどうでしょうか。

 「誰は何ができるのか?できるにしてもどの水準なのか?」

 「誰は何ができないのか?できないにしてもどのレベルまで来ているのか?」

 

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従業員の力量把握の大切さ ーA社の事例から学べること 

「部下の力量を把握しておく」という意味で、なるほどなぁと思わされた、私がインタビューをしたA社の実例に基づいてお話しします。

A社では、職位(担当・課長・部長など)ごとに「期待する役割」と「キャリアの階段」を明確にして、社員皆が共有しています。

  ※上記の固有名称は変更しています。

 

たとえば、担当の「期待する役割」の一例は

  「サービスの質の向上に貢献」

  「チームワークづくりに積極的に協力」

等々。

「キャリアの階段」の一例は 

  「自律的に遂行できる」

  「効率よく業務を遂行し、自身のスケジュールを一定時間内で終了できる」

などです。実際にはものすごく多くの事項があります。強調したいのは、職位階層別に、会社が期待する役割と、キャリアのステップを明示にしている点です。

 

また係長の「キャリアの階段」ならば、

 「日常業務遂行のロールモデルとなり、リーダー的役割をする」

 「自身のみならず部署内のタイムマネジメントを意識した行動ができる」

等々です。

  ※文言は若干変更しています。

 

「期待する役割」と「キャリアの階段」を定める目的は、部下や相手を人格で評価・批評しないことです。

つまり、何ら具体的な基準がないまま評価をすると、低評価だった場合、評価された側は全人格を否定されたように感じるかもしれません。

また、部下に問題がある時、人格、働く姿勢、人間性など漠然とした全体像を批判したり指導したりすることを見かけることがあります。これをすると最悪、離職につながりかねません。

 力量把握でこんなメリットがもたらされる!

しかし「期待する役割」と「キャリアの階段」という明確な基準があることで、仕事で足りない技能が具体的に何なのか?が、上司にも部下にもはっきりします。

こうすることで、主観やイメージにとらわれた不確かな評価や指導は減ります。また、ついた上司によって評価・指導の物差しが変わるという悲劇も防げます。

もう一つのメリットは、上司が部下を評価するとき彼・彼女には「何が足りないのか」、「どの点で低評価なのか」を真剣に考えるようになれるはずです。

 

期待する役割とキャリアの階段といった社内共有された明確な基準に照らしてみれば、実際は、低評価になる理由は2つくらいかもしれません。それをあたかも10も20もあるかのように誇張してしまい、漠然と人格を攻撃していないでしょうか? 

人格否定に陥ってしまっては、ビジネスの仲間とは言えなくないですか?ここで見るべきは、仕事をするためのスキル(だけ)のはずです。

 

 

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