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ホワイトカラー生産性向上の秘訣 その5


hatarako.hatenablog.jp

「期待する役割」と「キャリアの階段」は昇進査定にも! 「その4」のつづきです。

A社では、さらに、昇進(職位の上昇)時に「期待する役割」と「キャリアの階段」が関係します

すなわち、昇進を推薦する者(推薦者)が、昇進候補者の「期待する役割」と「キャリアの階段」を採点し、基準の点数以上でないと昇進できません。上の2つの項目に加えて「能力」という尺度もあってそこでも評点をつけます。

さらに、昇進後に「すぐに上の職位の役割を果たせそう」、「1年くらいかかりそう」、「1年以上かかりそう」の3段階で評価します。

以上の各点数を推薦書にしたため、トップ・マネジメントを含めた会議で個人の昇進が審議されます。

改めて整理しますと、以下の4つが昇進時に評価される項目です。

 ●「期待する役割」 30%

 ●「キャリアの階段」 30%

 ●「能力」 30%

 ●「(昇進後)すぐに上の職位の役割を果たせそうか」 10%

※各項目への配分は仮です

 

まえの記事で説明した通り「期待する役割」と「キャリアの階段」、そして今日初めて登場した「能力」も会社側が、職位別に定めています。

それぞれの職位にふさわしい、明確かつ具体的な昇進基準があるため、上位の職位にふさわしいのかを客観的に判定できます。

A社でも以前は「そろそろ係長になる頃合いだね」などと周りの主観的評価で昇進を決めていたこともあったそう。しかし、それではいけないと一念発起。

「そろそろ上の職位に上げてもよさそうだ」という人物でも、基準に照らし合わせるとスキルレベルがまだまだ足りていないことを実感できたということです。

 

昇進を推薦する側も真剣勝負

A社では、たとえば、担当職が係長に昇進するときは、課長が推薦者となります。課長は「この人物であれば大丈夫」と考えて推薦したものの、本部とのやり取りで、基準に改めて照らしあわせると「昇進させるには、まだこの力が足りない」と発見できることもあるそうです。中には、出した推薦書を取り下げるケースもあったとのこと。

 

大事な点だと思いますので、繰り返します。

A社内のみんなが「期待する役割」と「キャリアの階段」と「能力」の中身を共有しているわけです。係長なら「このくらいの役割は」、課長なら「このくらいのキャリアステージにいてもらわないと」、役員をめざすなら「このレベルの役割をこなしてもらわないと」という像が出来上がっています

 

こうした状況下で昇進が審議されますから、昇進の透明性が高い。

また、最終責任者である推薦者(直属の上長)は、いい加減な考えで推薦書を提出するわけにはいきません。だって言い方は辛らつですが、下手をすると「あんな低能力の奴の昇進を申請してきたぞ」となるわけです。

なるほどこのシステムなら上司側も、「期待する役割」と「キャリアの階段」と「能力」と真剣ににらめっこして、部下が昇進水準に到達しているかを吟味するはずです。

 

皆さんの会社はどうなっていますか?

さて、A社の事例を話してきましたが、読者の皆さんの会社は、どのように昇進・昇格を決めていますか?私事ですが、サラリーマンをしていた間は年数が短かったこともあり「昇進」はありませんでした。具体的には、うちの会社は係長相当職がなかったので、担当の次は課長でした。課長に昇進するには、勤続15年くらい必要でしたので、まだまだ遠い先でした。

一方、いわゆる職能資格制度を敷いており、その制度下における「昇格」は数度経験しました。当然、昇格に伴い月額給与が上昇しました。しかしながら、今思えば昇格がどういう基準で決まっていたのか、よくわかっていませんでした。と言いますか、基準はあったはずですが、それを何が何でも知ってやろうという意欲はありませんでした。

皆さんの会社の昇進(昇格)の査定はクリアですか?誰が見てもフェアでしょうか?そして、より上のステップを目指そうという気持ちが社内に醸成されていますか?

 「なんであいつが昇進したのに・・・私は遅れたの??」

 「どうしていつも頑張っているのに、昇進が停滞してるの??」

働く以上、こうした不平不満がゼロになることはないでしょう。でも、程度問題です。社員間のコンフリクトを可能な限り低減して、どう折り合いをつけさせるかが人事の腕の見せ所。

こんなときA社のような、透明性が高く客観的な昇進基準は間違いなく機能するだろうと思います。

 

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