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日本の職場はダイバーシティ・マネジメントにどう向き合えばよいのか? 番外編

ダイバーシティとリーダーシップ

さて、本日は「ダイバーシティ・マネジメントへの向き合い方」の番外編として、リーダーシップについて述べたいと思います。

 ※これまでの記事も含め、内容は、共同研究者とのインタビュー調査の結果を踏まえています。

 

 以前の記事へはこちらからどうぞ!

hatarako.hatenablog.jp

 

早速ですが、日本のある多国籍企業B社でインタビューさせていただいた人事部の方は、一時期、アメリカの拠点で人事の責任者をされていました。

米国赴任中に、衝撃的だった出来事のひとつが、日本人と比べた米国人のリーダーシップの高さだったそうです。

アメリカ駐在中に、日本人がいかにリーダーシップがないかを痛感させられた」と語ってくださいました。

また、国内の職場やリーダーシップ研修では優秀だと評価を受ける社員でも、アメリカにいくと全くリーダーシップを発揮できないと嘆きます。

アメリカ人リーダーと日本人リーダーの最も大きな違いは何ですか?」

私たちのそんな問いかけにこう答えてくれました。

アメリカ人リーダーは就任初日に、ミッションステートメントを言います。つまり、部下全員を集めて、自らの価値観や目標・期日を宣言して、コミットメントします。またメンバーにもコミットメントを求めます。」

「多くの典型的な日本人リーダーは、紋切り型のあいさつだけして自室にこもってしまう。そしてだいたいは、誰か部下が訪ねてくるまで待っています。」

※ミッションステートメントについて詳しく知りたい方は、スティーブン・コヴィー博士著『7つの習慣-成功には原則があった!』を参照ください。

 

典型的な日本企業に勤務していた私も、この発言には納得でき、思わずうなずいてしまいました。

もちろん、すべてのリーダーが上記のようだとは思いませんし、近年は大学でリーダーシップ教育が導入されるくらい、日本人のリーダー像も変革期にあるような気が致します。

でも、日本人の感覚で言うと、リーダーがミッションステートメントを表明するとか、自分から現場へおりていくというのはまだまだ馴染みがないですよね。

ドラマで描かれるお偉いさんも、だいたいは、高価な調度品に囲まれた自室でふんぞり返っているし。

ちなみに、B社とは別の日本企業(多国籍企業)で聞き取り調査をした際も、はじめに結論をいうアメリカ人上司のやり方が日本人には新鮮だったという声がありました。

 

アメリカ型リーダーと日本型リーダー、どちらが良いのだろう?気になる論点ですが、今日は言及しないことにしましょう。 

 日本人のリーダーシップ不足の原因は何か?

さて、インタビューさせてもらった方の見立てでは、日本人のリーダーシップ不足の原因は2つある。解説とともに紹介します。

1)ほぼ単一の文化のなかで、群衆をまとめていくリーダーを必要としなかった

 2018年にロシアで行われたサッカーワールドカップ(w杯)で優勝したフランス。そのときの代表選手23名中15名が、アフリカにルーツを持つ選手でした。アフリカからフランスへ移民したとか、片方の親がアフリカ出身だとかの理由です。

こうした多様なルーツを持つ、ダイバーシティの高いチームをひとつにまとめるリーダーは、ものすごく苦労しただろうと想像できます。

しかし、日本人はほぼ単一民族アイデンティティが同一なのでもともとまとまりがあった。ゆえに、それほどリーダーシップを発揮する場面がなかったというわけです。

 

2)経済が安定成長するなか、ビジネスが予定調和で進んでいた。だから、リーダーを必要としなかった。

 B社の注文は大口顧客に支えられていて、品質と納期を守ってさえすれば、口をあけているだけで注文が入ってきた、という言い方をされていました。

多少の違いはあれど、日本経済が着実に成長していた時代は多くの業界が似た状況だったと言えるでしょう。

恵まれていた一方で、日々の業務の中でリーダーシップを育て、鍛える過酷な状況が生まれづらかったというわけです。

 

ところが、ご存知のように現代は、ビジネスの先読みができません。世界のライバルは低価格・高品質をウリに、これまで日本企業が得意とした市場を席巻しています。一寸先は闇です。船のかじ取り役が必要になってきました。

 

それでは、日本企業がリーダーを育成するにはどうしたらよいのでしょうか?

このトピックについては、別の記事で紹介したいと思います。

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